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習い事のスポーツでのセクハラ|指導との違い

スポーツ指導の現場で、指導の一環として行われた行為がセクハラとみなされるケースが増加しています。

その背景として、今までは表に出なかった被害が顕在化してきたと考えられており、未成年者や保護者を巻き込んだ重大なトラブルに発展するリスクがあります。

本記事ではスポーツ指導におけるセクハラについて言及し、適切な指導方法を紹介することでセクハラかどうか判断するポイントを解説します。

スポーツ指導でのセクハラとは

まず初めにセクハラ(セクシュアルハラスメント)とは、相手の意に反する性的な言動や行為によって、相手を不快にさせることです。

スポーツ指導におけるセクハラの例として、次のようなものがあります。

 

・不必要に身体に触れる

・性的な言動をする

・容姿に関する不適切なコメントをする

 

また、セクハラの加害者は、指導者や活動顧問としての教師である場合が多いことが報告されており、スポーツ指導に関するハラスメントの相談の中でも、未成年の被害割合が高いとされています。

セクハラが生じやすい原因

スポーツ指導の現場でセクハラが生じやすい原因として、次のようなものが考えられます。

 

・スポーツ指導では身体接触が許容されていると考えられている

・指導者との間に大きな権力差が生じやすい

・密室環境を作りやすい

 

これはスポーツ指導特有の問題とされており、セクハラが表面化しにくい状況としては、スポーツ競技団体の閉鎖的な組織構造と権威主義、集団主義の傾向が強いことなどが関係しているとされています。

セクハラか指導かを判断する場合

セクハラか指導かを判断する場合、以下にあげるような児童生徒の要素を総合的に検討し、個別の事案ごとに適切に判断する必要があります。

この際、セクハラを行った指導者や受けた児童生徒、保護者の主観的な意見だけに基づくのではなく、これらの条件を客観的に考慮して判断することが重要です。

 

・児童生徒の年齢

・健康状態

・心身の発達状況

・行為が行われた場所や時間の環境

・指導の方法

セクハラに該当するかの判断基準

スポーツ指導の現場におけるセクハラの判断基準は、一般的な職場での判断基準を参考にしており、職場環境では以下の2点が大きな基準となります。

 

・性的な言動に当たるかどうか

・労働者が不利益を受け、または労働者の就業環境が害されるかどうか

 

しかし、先述した通りスポーツ指導の現場では必要に応じて身体接触が行われる場合があるため、行為そのものによって指導とセクハラとを線引きすることが難しいという側面があります。

上述した条件を踏まえた上で、指導に当たって身体接触を行う場合には、以下のような点も考慮する必要があります。

 

・身体接触の必要性

・身体接触の適切さ

 

たとえば、スポーツマッサージと称して選手の身体に不必要に触った結果、選手はそのチームを辞めてしまったといったケースが見られます。

適切な指導の判断基準

適切な指導の範囲かどうかを判断するポイントとして、セクハラに該当するかの判断と同様にさまざまな要素を考慮した上で、次のような基準を参考にします。

 

・通常のスポーツ指導による肉体的、精神的負荷かどうか

・教育上必要があると認められるときに行われるものかどうか

・物理的な力を他人に向けて加えることではあるが、正当防衛、正当行為と判断できるものかどうか

 

たとえば、試合中に相手チームの選手とトラブルになり、殴りかかろうとする生徒を押さえつけて制止した、といった行為は適切な指導の範囲とされています。

セクハラ問題を防ぐためにできること

最後に、セクハラ問題を防ぐためにできることを簡単にまとめます。

指導者側の注意点

指導の際に身体接触が必要な場合、事前に本人や保護者に説明することが重要です。

言動や接触について第三者に確認を取るなど、透明性を保つ努力をします。

生徒・保護者の対応

不快な行為があれば記録を残すことや、早期に指導者に指摘することが重要です。

必要に応じて学校や習い事の運営側に相談するなど、あらかじめ対策の方法を確認しておきましょう。

また、保護者はその習い事の環境をよく見ることが求められます。

密室になることを避けるため入口の扉を開けたままにするなど、セクハラが起こらないよう十分な対策をとっているか、指導者の他に大人がいるかどうかといった点を確認すると良いでしょう。

まとめ

スポーツ指導におけるセクハラと適切な指導について解説しました。

スポーツ指導におけるセクハラは、防ぐ努力と双方の理解が必要不可欠です。

そして、指導を受ける生徒や保護者が正しい知識を身に着けることで、回避できるトラブルがあります。

習い事のスポーツで何か困ったことが起こった場合は、弁護士に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。

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資格者紹介Staff

岩熊 豊和弁護士

岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma

私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。

弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。

スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。

「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。

丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。

所属団体

  • 福岡県弁護士会
  • 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー

経歴

  • S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
  • H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
  • H5.4 大阪大学法学部入学
  • H9.3 大阪大学法学部卒業
  • H10.10 司法試験合格
  • H11.4 司法修習生(53期)
  • H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
  • H30.9 岩熊法律事務所開設

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