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いじめ防止対策推進法とは?

いじめ防止対策推進法は2013年に施行された法律です。

児童・生徒をいじめから守り、学校など関係者が一丸となって対応していくために生まれました。

学校や教師だけでなく、保護者にも児童・生徒をいじめから守る責務があります。

この記事では、いじめ防止対策推進法について解説していきます。

いじめ防止対策推進法とは

いじめ防止対策推進法は、いじめを受けた児童・生徒の尊厳を守るため、次のような対応を行うように策定されました。

 

  • いじめの防止
  • いじめの早期発見
  • いじめへの対処

 

国や学校などには、いじめ防止に向けた基本方針の策定が求められています。

また、学校や保護者が取るべき行動についても指針を示しています。

「いじめ」とは

「いじめ」とは、児童・生徒の間で起こった行為により、その行為を受けた児童・生徒が心身の苦痛を感じるものです。

児童・生徒とありますが、いじめの問題は学校内での出来事だけに限りません。

学校外での出来事や、インターネットを介して受けた影響なども含まれます。

いじめ防止対策推進法で求められていること

児童・生徒が安心して生活していけるよう、児童・生徒を取り巻く環境に対して、さまざまな対策や措置が求められています。

児童・生徒に対して

まず、児童・生徒に対して「いじめの禁止」を掲げています。

いじめ防止の大前提です。

国や地方公共団体に対して

国や地方公共団体には、いじめ防止のための基本的な方針を策定するよう求めています。

また、次のような対策も行われています。

 

  • いじめの防止等の対策に従事する人材の確保等
  • 調査研究の推進
  • 啓発活動

 

さらに地方公共団体は、以下で構成される「いじめ問題対策連絡協議会」の設置が可能となっています。

 

  • 学校
  • 教育委員会
  • 児童相談所
  • 法務局
  • 警察
  • その他関係者

 

協議会では、いじめ防止対策が正しく機能しているか、効果はあるのかなどの検証が行われています。

これにより関係者同士の連携が強化され、より問題に対応しやすくなりました。

学校や教師に対して

児童・生徒が長時間活動する学校という場では、より具体的な対策が求められています。

 

  • 道徳教育等の充実
  • いじめの早期発見のための措置
  • 相談体制の整備
  • インターネットを通じて行われるいじめに対する対策

 

いじめ防止の措置を行うため、学校では以下の人員で構成された組織が常置されています。

 

  • 教職員
  • 心理の専門家
  • 福祉の専門家
  • その他関係者

 

上記のような基本的な対策を行い、実際にいじめが疑われる場合には次のような措置を行います。

 

  • いじめの事実確認
  • いじめを受けた児童やその保護者に対する支援
  • いじめを行った児童に対する指導
  • いじめを行った児童の保護者に対する助言

 

いじめられた児童の安心・安全を守るため、いじめを行った児童に教室外で学習させるなどの措置を取ることも可能です。

 

いじめは犯罪行為です。

学校は出席停止などの適切な対応を取ると共に、所轄警察署との連携も求められています。

さらに学校の中だけで対応するのではなく、在籍する児童の保護者や地域住民との連携も必要とされています。

保護者に対して

保護者は、自分の子どもがいじめを行わないように指導しなくてはいけません。

そして子どもがいじめを受けた場合には、子どもをいじめから保護する役割があります。

また、学校などからいじめ防止に対する協力を求められた場合には、それに協力するよう努める必要があります。

いじめの重大事態に関して

いじめは時に重大事態を招く恐れがあります。

重大事態とは以下の2つを指します。

 

  • 心身や財産に対する重大な被害(自殺等重大事態)
  • 相当の期間学校を欠席する状態(不登校重大事態)

 

自殺等重大事態は自殺や自殺未遂といった生命被害だけでなく、次の被害も含まれます。

 

  • 怪我などの身体被害
  • 恐喝などの財産被害
  • 精神被害

 

不登校重大事態は、目安として、いじめによる欠席日数が1年間で30日となる場合に認定されます。

ただし不登校重大事態の疑いがある場合には、欠席日数が30日に達する前から対応が必要です。

早い段階から介入し、いじめの被害や苦しみを最小限にとどめなくてはいけません。

 

このような重大事態が発生した場合には、学校は速やかに関係各所へ情報提供し、調査を行うことになっています。

早期に情報共有し、教育委員会や保護者など関係者が一丸となって重大事態に取り組みます。

 

ただし、重大事態に当てはまらないいじめを軽視して良いという意味ではありません。

いかなる場合においても、いじめは起きてはいけないものです。

まとめ

この記事では、いじめ防止対策推進法について解説しました。

いじめの問題は、いじめを受けた児童が相談をためらったり、いじめをした児童が「遊びの延長だ」と言い張ったりと、明るみに出ないことが多々あります。

相談しやすい体制を整え、いじめの起きない環境を作るには、子どもを取り巻く人々による対策が必要です。

いじめ問題への対応は、弁護士までご相談ください。

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岩熊 豊和弁護士

岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma

私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。

弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。

スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。

「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。

丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。

所属団体

  • 福岡県弁護士会
  • 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー

経歴

  • S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
  • H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
  • H5.4 大阪大学法学部入学
  • H9.3 大阪大学法学部卒業
  • H10.10 司法試験合格
  • H11.4 司法修習生(53期)
  • H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
  • H30.9 岩熊法律事務所開設

事務所概要Office Overview

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