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いじめでの損害賠償請求と、請求に必要な立証責任

学校でいじめの被害にあった場合、その損害に対する賠償金を請求できる可能性があります。

しかし損害賠償請求する際には、いじめがあった事実を被害者側が立証しなければいけません。

この記事では、いじめに対する損害賠償請求と被害者側の立証責任について解説します。

いじめに対する損害賠償請求

損害賠償請求とは、相手の債務不履行や不法行為により損害を受けた際、その損害に対する補償を請求するものです。

不法行為によって損害賠償請求できるのは、相手が故意や過失によって違法行為を行い、その結果として被害者が損害を受けた場合です。

違法行為を犯していない場合には損害賠償を請求できません。

 

一方、いじめは故意に相手を傷つける違法行為であり、不法行為として認められます。

いじめによって精神的苦痛を受けた場合にはその精神的苦痛に対する慰謝料を請求でき、暴力を受けて怪我をした場合には怪我の治療費も請求できます。

損害賠償請求の流れ

損害賠償を請求するには、まず示談交渉という当事者同士での話し合いを行うことが一般的です。

示談交渉がまとまらなかった場合、損害賠償請求のための民事調停や民事訴訟を起こし、解決を目指します。

民事調停では話し合いによって合意を目指しますが、訴訟では裁判所に判断してもらいます。

裁判の判決には強制力があり、たとえ相手が支払いを拒んだとしても強制執行が可能です。

損害賠償請求できる相手

いじめの損害賠償請求は加害者に対して行います。

加害者が幼く責任を負えない年齢の場合には、加害者の親に対して損害賠償請求できる可能性があります。

加害者本人が責任を負えると判断されるのは、おおむね10歳~12歳以上です。

また学校がいじめに加担していた場合や、いじめに気付きながらも適切な対応を取らずに放置していた場合などは、学校の設置者に対しても損害賠償請求できます。

いじめで損害賠償請求する時の立証責任

損害賠償請求を行うためには、請求を行う側が、自身に請求を行う権利があることを証明しなければいけません。

請求する内容の事実関係が証明できない場合、その事実に対する法的な効果も発生しないためです。

 

いじめで損害賠償請求する場合、いじめの被害者がいじめられた事実と、それにより損害を受けた事実を証明する必要があります。

いじめによる損害を立証できない場合には、いじめは存在しなかった、もしくはいじめによる損害はなかったと判断され、損害賠償を受けられません。

加害者側は立証する必要がない

損害賠償請求を行う際、加害者側は「いじめが存在しなかったこと」を立証する必要がありません。

いじめが「存在したこと」を立証することは可能でも、「存在しなかったこと」を立証することは不可能であるからです。

ただし裁判において、加害者側は被害者が立証しようとする内容を否定し、裁判官が被害者の言い分を認めないように活動を行います。

たとえば被害者が用意した証拠に対して、「これは故意による違法行為ではない」、「自分がやったわけではない」などと反論する可能性があります。

裁判官にいじめの事実を認めさせるには、被害者側が決定的な証拠を用意し、加害者からのいじめによって損害を受けたことを裁判官に納得させなければいけません。

いじめの証拠となるもの

いじめの現場を撮影した写真や動画、会話を録音したデータなどは、いじめの証拠として有効です。

加害者が誰なのか、誰に対してどのような行為を行っているのかが判別できるデータであれば、より証拠として利用しやすくなります。

しかし、そのような場面を自分で撮影することは難しいため、可能であれば友人などに撮影の協力を頼むと良いでしょう。

SNSなどで誹謗中傷された場合には、その画面のスクリーンショットを保存しておくと証拠として活用できます。

 

加害者からの暴力などにより怪我を負った場合には、医師の診断書を取ってください。

怪我が小さく病院へ行かなかった場合でも、怪我の部位を写真に撮っておくことで、怪我の程度や回数を記録できます。

持ち物を壊されたり汚されたりした場合も、現物を保存するか、保存が難しい場合には写真に残しておきます。

 

写真だけでは断片的な記録になってしまいますが、状況を細かく記載した日記を残しておくことで、当時の詳細な様子を残すことができます。

日記の記述内容がその他の証拠と矛盾していなければ、日記に記載された内容の信頼度も上がります。

まとめ

この記事では、いじめによる損害賠償と請求を行う際の立証責任について解説しました。

立証責任は損害賠償請求を行う被害者側が負います。

加害者による不法行為があり、それによって損害を受けたことを証明しなければいけません。

いじめの証拠には、写真や日記など、状況に応じてさまざまなものを活用できます。

いじめによる損害賠償をお考えの際には、弁護士までご相談ください。

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資格者紹介Staff

岩熊 豊和弁護士

岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma

私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。

弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。

スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。

「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。

丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。

所属団体

  • 福岡県弁護士会
  • 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー

経歴

  • S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
  • H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
  • H5.4 大阪大学法学部入学
  • H9.3 大阪大学法学部卒業
  • H10.10 司法試験合格
  • H11.4 司法修習生(53期)
  • H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
  • H30.9 岩熊法律事務所開設

事務所概要Office Overview

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