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いじめで被害届は出せる?受理後に警察が動く基準と対応方法

子どもがいじめを受けていると知ったとき、警察に被害届を出すべきか迷う保護者は少なくありません。

犯罪被害にあたる事実を申告した場合、被害届は原則として受理されます。

ただし、受理によって加害者の逮捕や事件の送致、起訴まで保証されるわけではありません。

ここでは、いじめで被害届を出せる場合と、受理後に警察が動く際の判断材料、受理されなかったときの対応を説明します。

いじめで被害届は出せるのか

いじめとして行われた暴行や恐喝、窃盗といった行為が犯罪にあたる場合は、警察へ被害届を提出できます。

被害届は原則として受理される

被害届は、犯罪の被害にあった事実を警察へ申告するための書類です。

犯罪捜査規範61条では、被害の届出があった場合、警察は正当な理由なく拒んではならないと定められています。

警察庁の通達でも、内容が明白な虚偽または著しく合理性を欠く場合を除き、即時に受理するのが原則です。

証拠が十分にそろっていないことだけを理由に、受理を拒む仕組みではありません。

ただし、被害届が受理されても、逮捕や送致、起訴が決まるわけではない点には注意が必要です。

加害者の処罰を求める場合は告訴を検討する

告訴は、犯罪被害の申告に加えて、加害者の処罰を求める意思を示す手続きです。

未成年の被害者については、親権者をはじめとする法定代理人も独立して告訴できます。

司法警察員が告訴を受理した場合、告訴に関する書類と証拠物を速やかに検察官へ送付しなければなりません。

なお、名誉毀損罪や侮辱罪、器物損壊罪は原則として親告罪であり、犯人を知った日から6か月以内に告訴する必要があります。

警察が刑事事件として対応するケース

被害届の受理後に捜査が進むかどうかは、犯罪にあたる具体的な事実や証拠、被害の重大性を踏まえて判断されます。

刑罰法令に触れる行為がある

いじめでも、次のような行為は犯罪にあたる可能性があります。

 

  • 殴る、蹴る行為は暴行または傷害
  • 金銭や物を脅し取る行為は恐喝
  • 持ち物を盗む行為は窃盗、壊したり捨てたりする行為は器物損壊
  • 危害を加えると告げる行為は脅迫
  • 暴行や脅迫によって土下座や金品の持参を強いる行為は強要
  • 具体的な事実を広めて社会的評価を低下させる行為は名誉毀損

 

文部科学省も、犯罪行為として取り扱われるべきいじめについて、学校がただちに警察へ相談・通報するよう求めています。

被害を裏づける証拠がある

証拠の有無は、被害届の受理そのものではなく、その後の捜査や事実認定に影響します。

診断書や患部の写真、暴行・暴言の録音や動画、SNSのやり取り、被害状況を記載した日記は証拠になり得ます。

いつ、どこで、誰に何をされたのかを時系列で整理しておくと、警察も被害の全体像を把握しやすくなるでしょう。

SNS上の投稿は、投稿者名、URL、投稿日時が分かる形で保存し、元データを加工せずに残しておくことが大切です。

刑事事件として対応されにくいケース

被害届が受理されても、犯罪にあたる事実や加害者を特定できなければ、捜査が進まないことがあります。

犯罪にあたる事実を確認できない

無視や仲間外れは、子どもにとって深刻な被害となり得るものの、その行為だけをもって刑法上の犯罪として評価することは容易ではありません。

ただし、無視や仲間外れに伴って、脅迫、強要、名誉毀損などの犯罪に該当する行為が行われている場合には、刑事事件として扱われる可能性があります。

犯罪に該当する具体的な事実が認められない場合には、被害届による刑事事件としての対応ではなく、少年相談等として対応される可能性があります。

もっとも、刑事事件として扱われない場合でも、民事上の責任まで否定されるわけではありません。

無視や仲間外れなどの行為についても、その態様や期間、悪質性、被害者が受けた精神的苦痛などの事情によっては、民法上の不法行為が成立し、損害賠償を請求できる可能性があります。

加害者が14歳未満である

刑法41条により、14歳未満の者には刑事責任能力がなく、刑罰を科すことはできません。

ただし、加害児童が14歳未満であることだけを理由として、被害届が受理されないわけではありません。

14歳未満の児童による行為については、警察による触法調査の対象となる場合があります。

警察による調査の結果、一定の重大な事件に該当する場合や、家庭裁判所の審判に付することが適当と認められる場合には、事件が児童相談所長に送致されることがあります。

その後、児童相談所長等において、家庭裁判所への送致等について判断されます。

また、事件として送致されない場合でも、児童の福祉を図るため、児童相談所への通告等が行われることがあります。

一方、刑事責任を問うことができないことと、民事上の責任能力がないことは別の問題です。

加害児童に民事上の責任能力が認められない場合には、民法714条に基づき、原則として、その児童を監督する法定の義務を負う者が損害賠償責任を負う可能性があります。

ただし、監督義務者が相当の監督をしたことなどを立証した場合には、責任を免れることがあります。

被害届が受理されなかったときの対応

受理を断られた場合は、その理由を確認し、対応した警察官の氏名、日時、説明内容を記録しておきましょう。

担当部署の責任者や警察署の上席者に確認を求めるほか、警察本部へ相談する方法もあります。

申告内容が不明確だと指摘されたときは、被害の日時と場所、行為の内容、目撃者の有無を整理し、診断書や画像を添えて改めて申告します。

処罰を求める場合は、弁護士に相談したうえで告訴することも選択肢です。

警察の対応とは別に、学校にはいじめ防止対策推進法に基づく事実確認や安全確保、加害児童への指導を求められます。

生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当の期間にわたって欠席を余儀なくされている疑いがある場合、学校または学校の設置者は重大事態として調査しなければなりません。

まとめ

犯罪被害にあたる事実を申告した場合、いじめを理由とする被害届も原則として受理されます。

受理を断られた場合や捜査が進まない場合でも、告訴、学校への対応要求、損害賠償請求の検討が可能です。

岩熊法律事務所では、いじめや体罰、パワハラに関するご相談を承っております。

お子さんのいじめ被害について、警察や学校への対応にお悩みの方は、岩熊法律事務所へご相談ください。

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資格者紹介Staff

岩熊 豊和弁護士

岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma

私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。

弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。

スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。

「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。

丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。

所属団体

  • 福岡県弁護士会
  • 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー

経歴

  • S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
  • H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
  • H5.4 大阪大学法学部入学
  • H9.3 大阪大学法学部卒業
  • H10.10 司法試験合格
  • H11.4 司法修習生(53期)
  • H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
  • H30.9 岩熊法律事務所開設

事務所概要Office Overview

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