スポーツジムなどの契約トラブルを防止するために経営者ができること
スポーツジムやフィットネスクラブを経営していると、会員との間に契約トラブルが発生することがあります。
経営者は起こり得るトラブルを想定し、発生しないよう対策することが肝心です。
この記事では、経営者向けの契約トラブル防止対策について解説します。
起こり得る契約トラブル
スポーツジムやフィットネスクラブと利用者は、入会や会費について法的な契約を結びます。
契約によって起きるトラブルには、契約内容や利用規約などに不備があるパターンと、利用規約などには不備がないものの、利用者への説明不足からトラブルにつながるパターンがあります。
どちらも適切な対策を取ることで、トラブルを防ぐことが可能です。
契約内容や利用規約の不備によるトラブル
法的な知識が不足した状態で利用規約などを作成すると、契約内容や利用規約の中に法的に無効な条項が含まれてしまう可能性があります。
不備のある利用規約をもとに運営し、不備のある内容で契約を締結したとしても、その内容は法的に認められません。
たとえば年間契約を結ぶ際、契約書に「契約期間中の退会を認めない」とする条項を記載していたとします。
しかし消費者契約法第10条では、消費者の利益を一方的に害するものは無効としています。
これにより、期間途中の退会を認めないことは利用者の利益を一方的に害すると判断され、無効となる可能性があります。
契約内容や利用規約の不備を防ぐには
契約内容や利用規約の不備を防ぐには、経営者や従業員が法的な知識をつける必要があります。
利用規約や契約書には、さまざまな条件を記載しなければいけません。
どのようなトラブルが起こるのかを予測し、それを防止する内容を過不足なく、そして法律に違反しない内容で記載することが大切です。
ただし法的な知識をつけることが難しい場合には、法的なチェックを弁護士に依頼することも可能です。
解約や返金の規定など、施設側に有利な条件を付けようとしても、法律的に許されないことがあります。
規約として定めたい内容が法律的に認められるのか、認められない場合には、どのような条件であれば施設側の望む契約ができるのか、弁護士に相談しながら策定すると安心です。
策定から時間が経っている場合には見直しも必要
利用規約や契約書を作成してからある程度の時間が経過している場合には、一度見直しをすることでトラブルを防止できます。
消費者や契約に関する法律は、時代の流れに応じて改正される可能性があります。
作成時には適切な内容だったとしても、現在の法律に照らし合わせた時、最適な内容ではなくなっていることもあります。
弁護士に確認を依頼し、最新の法律に対応してください。
利用者への説明不足によるトラブル
利用規約や契約書を正しく作成していたとしても、契約時にその書類を細かく読み込んで契約する利用者は多くありません。
多くの場合、利用者は施設スタッフからの説明をもとに契約内容を理解し、契約を結びます。
そのため、従業員が説明をおこたったり、間違った内容を説明したりすると、トラブルになることがあります。
説明不足によるトラブルの防止対策
従業員の説明不足によるトラブルを防止するには、従業員が利用規約を正しく理解している必要があります。
たとえばスポーツジムなどの契約は、一定の条件を満たさない限りクーリングオフの対象になりません。
利用者が「クーリングオフして返金を受けたい」と申し出たとしても、条件を満たしていない場合、施設側は断ることが可能です。
しかし契約時にその説明をしていなかった場合には、トラブルにつながる恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐには、どのようなときにクーリングオフの対象になるのかを従業員が正しく理解し、契約時に利用者へ説明することが大切です。
利用規約に記載されているからと説明を省略するのではなく、とくに重要な項目は口頭で説明することが有効です。
従業員研修により知識をつける
利用者に契約内容を説明したり、利用者の質問に答えたりするには、従業員の研修を日頃から行っておく必要があります。
利用規約の内容を細かく正確に理解し、可能であれば法的な根拠も理解していると、利用者に対して正しく説明を行えます。
従業員がこのような知識をつけるには、利用規約の内容を解説するマニュアルを作成し、社内で共有しておくことも必要です。
まとめ
この記事では、契約トラブルを防止するために経営者ができることを解説しました。
まず大切なことは、利用規約や契約書などに法的な不備がないことです。
法的な不備があるとトラブルが発生しやすくなり、場合によっては大きな不利益を被りかねません。
次に、従業員が利用規約や契約内容を正確に理解していることが大切です。
利用者へ適切な説明や対応ができると、トラブルを防ぐことができます。
契約トラブルの防止対策にお悩みの場合には、弁護士までご相談ください。
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岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma
私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。
弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。
スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。
「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。
丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。
所属団体
- 福岡県弁護士会
- 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー
経歴
- S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
- H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
- H5.4 大阪大学法学部入学
- H9.3 大阪大学法学部卒業
- H10.10 司法試験合格
- H11.4 司法修習生(53期)
- H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
- H30.9 岩熊法律事務所開設
事務所概要Office Overview
名称 | 岩熊法律事務所 |
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所在地 | 〒812-0038 福岡県福岡市博多区祇園町2−35 プレスト博多祗園ビル4階 |
TEL/FAX | TEL:092-409-9367 / FAX:092-409-9366 |
代表者 | 岩熊 豊和(いわくま とよかず) |
対応時間 | 平日 9:30~18:00 |
定休日 | 土曜・日曜・祝日 |
