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生徒の保護者からいじめの相談をされた場合の対処法

生徒の保護者から「子供がいじめられている」という相談を受けた際、その初期対応が解決を左右することになります。

学校や教師、あるいは相談を受ける立場にある方は、保護者の不安や怒りを真正面から受け止め、組織として誠実に対応する姿勢を示すことが求められます。

放置や不適切な対応は、学校への不信感を増大させ、最終的には法的な紛争や重大事態へと発展する恐れがあります。

今回は、生徒の保護者から相談された場合の具体的な対処法や、法的に守るべき義務について解説します。

最初の相談における姿勢と記録の重要性

保護者が相談に来る段階では、家庭内で子供の異変に気づき、悩み抜いた末の決断である場合がほとんどです。

そのため、まずは相手の話を遮らず、最後まで丁寧に聞くことが大切です。

受容的な態度の維持

相談を受ける側は、最初から「いじめがあったかどうか」の判断を下してはいけません。

保護者の心情に寄り添う言葉をかけることが大切です。

否定的な態度を取ったり、安易に「よくあることですよ」と片付けたりする行為は、保護者をさらに追い詰め、事態を複雑化させる要因となります。

正確な記録の作成

いじめの相談の内容は、いつ、どこで、誰が、誰に対して何をしたのかという事実関係を時系列で記録します。

保護者が持参したメモや、子供が書いた日記、SNSのスクリーンショットなどの証拠があれば、それらも共有してもらうよう依頼します。

この記録は、後に学校内での調査や、いじめ防止対策推進法に基づく対応を行う際の重要な根拠となります。

いじめ防止対策推進法に基づく組織的対応

いじめの相談を受けた場合、特定の教師1人で抱え込むことは絶対に避けるべきです。

法律に基づき、学校全体として対応する必要があります。

組織的対応の義務

いじめ防止対策推進法では、いじめの疑いがある情報を得た場合、速やかに「いじめ対策委員会」などの組織に報告し、情報を共有することが義務付けられています。

校長、教頭、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラーなどが連携し、多角的な視点から状況を判断する必要があります。

個人で解決しようとすると、情報の偏りや見落としが発生し、結果として被害を拡大させてしまうリスクがありますので注意してください。

事実確認の迅速な実施

保護者からの相談を受けたら、できるだけ早い段階で関係生徒からの聞き取り調査を開始します。

被害を訴えている生徒はもちろん、加害側とされる生徒、さらには周囲にいた目撃者からも話を聴きます。

この際、被害生徒の安全を最優先に確保し、さらなる嫌がらせが起きないよう配慮するようにしてください。

調査の結果、いじめの事実が確認されたかどうかにかかわらず、現状を速やかに保護者に対して報告する義務があります。

加害側生徒およびその保護者への対応

いじめの事実が認められた場合、加害側に対する指導と、その保護者への連絡が必要となります。

毅然とした指導の実施

加害側の生徒に対しては、どのような行為が相手を傷つけたのかを自覚させ、二度と同じことを繰り返さないような指導を行います。

ただし、一方的に決めつけるのではなく、本人なりの言い分も聞き取った上で、法的なルールや校則に照らして何が誤りであったかを論理的に説明することが大切です。

加害側保護者への協力要請

加害側の保護者に対して、いじめの事実関係を正確に伝え、家庭での指導を依頼します。

この際、被害者側の情報は慎重に取り扱い、直接的な対立を避けるための調整を学校側が担うことが望ましいです。

両者の保護者を直接会わせることは、感情的な紛争を激化させる恐れがあるため、慎重に判断すべきといえます。

重大事態への該当性の判断

いじめによって生徒の生命、心身、または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合、それは「重大事態」として扱われます。

重大事態の定義

重大事態とは、不登校が年間30日程度に及んでいる場合や、自傷行為、重い精神的苦痛を受けている場合などが該当します。

重大事態と判断された場合、学校や設置者(教育委員会など)は、専門家を含む調査組織を設置し、詳細な調査を行うことが法律で求められます。

保護者から「重大事態として調査してほしい」という申し出があった場合、学校側はこれを真摯に受け止め、適切に判断を下す流れをたどらなければなりません。

専門家や外部機関との連携

学校内だけでの解決が困難な場合には、積極的に外部の知見を借りることが有効な手段となります。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用

生徒の心のケアや、家庭環境の調整を行うために、福祉の専門家に関与してもらう体制を整えます。

心理的な傷が深い場合、継続的なカウンセリングを受けることそのものが、本人の回復につながる可能性があります。

弁護士への相談

いじめの態様が悪質な場合や、学校側の対応に法的リスクが伴う場合には、弁護士への相談を検討してください。

弁護士は、過去の裁判例や状況などに基づき、どのような対応が適切かアドバイスを行うことができます。

警察や関係機関への通報

暴行、傷害、恐喝、名誉毀損など、刑法に触れるような行為が行われている場合には、警察へ通報・相談を行うべきです。

「学校の中のことだから」と校内だけで処理しようとする姿勢は、結果として大きなトラブルに発展しかねませんので注意してください。

まとめ

今回は、生徒の保護者からいじめの相談をされた場合の対処法について解説しました。

いじめの問題はどの学校でも起こり得ることですが、学校の体制や事案によっては、学校だけで判断することが難しいこともあります。

したがって、解決が難しい場合には、いじめや学校問題に精通している弁護士に相談してください。

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資格者紹介Staff

岩熊 豊和弁護士

岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma

私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。

弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。

スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。

「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。

丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。

所属団体

  • 福岡県弁護士会
  • 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー

経歴

  • S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
  • H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
  • H5.4 大阪大学法学部入学
  • H9.3 大阪大学法学部卒業
  • H10.10 司法試験合格
  • H11.4 司法修習生(53期)
  • H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
  • H30.9 岩熊法律事務所開設

事務所概要Office Overview

名称 岩熊法律事務所
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