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いじめの加害者が14歳未満だった場合の対処法

いじめは決して許されるものではありません。

14歳未満の小中学生の場合は、いじめの証拠が見つけられないとか、いじめが発覚しづらいといった現状があり、即時対応できないケースがほとんどです。

この記事では、いじめの加害者が14歳未満だった場合の対処法について解説します。

いじめとは

いじめとは、児童などが児童などに対して心理的・物理的な苦痛を与える行為であり、いじめられた被害者が心身の苦痛を感じるものであると法律で定められています。

たとえば、以下のようないじめがあります。

 

  • 事あるごとに自分の使い走りにする
  • 命令に従わなければ殴る蹴るの暴行を加える
  • 他の仲間と共謀して、いじめ対象者を無視する
  • いじめられていることを親に言うなと脅す
  • ナイフなどの凶器を使って持ち物や髪の毛を切る
  • いじめ対象者の持ち物を隠す、もしくは破棄する
  • 携帯でグループを作り、既読無視などの陰湿な仲間外れにする
  • 死ね・学校に来るな・目の前から消えろなどの暴言を吐く
  • お金を持ってくるように恐喝する
  • 異性の前で裸にさせる、もしくは自慰行為を強要する
  • 性的な写真を撮影して弱みを握る

いじめが犯罪として扱われる場合

いじめが犯罪として扱われるものとして次の刑事罰があります。

 

  • 暴行罪:相手に対して蹴る・殴るといった行為
  • 傷害罪:被害者にケガを負わせる行為
  • 脅迫罪:平穏な学校生活を送れないようにしてやるといったような脅す行為
  • 恐喝罪:いわゆる「かつあげ」行為
  • 強要罪:土下座を強いるような行為
  • 侮辱罪:デブ・ハゲ・バカ・気持ち悪いといった相手を侮辱する行為
  • 名誉毀損罪:〇〇は万引きの常習犯だというような名誉を傷つける行為
  • 不同意わいせつ罪:性的行為に同意していない相手に行われるわいせつな行為
  • 強制わいせつ罪:暴行や脅迫によって強制的に行うわいせつな行為
  • 性的姿勢等撮影罪:裸や性器・下着姿などを密かに撮影する行為

 

その他にも、無視するとか意図的に仲間外れにするといった行為は、「いじめ防止対策推進法」によって処分される可能性があります。

いじめの加害者が14歳未満でも逮捕される可能性は?

刑法が適用されるのは成人が事件を起こした場合であり、いじめの加害者が14歳未満の場合は逮捕されません。

逮捕されないだけで、悪質ないじめであると判断された場合は、家庭裁判所で少年審判を受けます。

少年審判が下される内容は以下の4つです。

 

  • 保護観察:保護監察官や保護司の監視下の元、自宅などで更生を目指す
  • 少年院送致:社会での更生が難しいと判断された場合に少年院に送致される
  • 児童自立支援施設等送致:比較的低年齢の少年に対して下される
  • 都道府県知事または自動相談所長装置:児童福祉機関で更生するのが適当と判断した場合の処分

 

少年審判で上記の処分を下さずとも更生できると判断された場合は「不処分」となり、少年審判自体を行う必要がないと判断されれば「審判不開始」となる可能性があります。

いじめの加害者が14歳未満だったときの対処法

いじめの加害者が14歳未満だったときは、刑法41条により「14歳未満の子どもが犯罪行為をしても刑罰は科さない」という内容の記載があります。

そのため、14歳未満の子どもが、いじめによる犯罪行為をしても罪に問われることはありません。

ただし、成人のような刑罰はありませんが、前項で紹介した少年審判によって処分を下される可能性はあります。

 

また、いじめを受けた被害者からすると、学校に行けば「また、いじめられるかもしれない」というトラウマが残ります。

保護者は子どもの精神的苦痛や身体的損傷などを見ると、加害者にも同じ目に遭わせたいと感じるはずです。

実際に同じ目に遭わせると保護者の方に刑事罰を課せられる可能性があるため、その場合は加害者の保護者を相手取って損害賠償請求訴訟を申し立てることができます。

加害者の子どもではなく、親を経済的に追い込む方法は得策と言えるかもしれないので、損害賠償請求訴訟を行う際には弁護士に依頼することをおすすめします。

いじめられたときの対処法

いじめられた場合は、法務省が行っている「子どもの人権110番」に連絡して専門家に相談する方法もあります。

いじめに対してどのように対応すべきか、また、どうすればいじめを回避できるのかなど適切にアドバイスしてもらえます。

また、いじめが犯罪行為だった場合は、迷わず警察に相談してください。

加害者が14歳未満の場合は逮捕できませんが、悪質な犯罪行為の場合は家庭裁判所へ送致することも可能です。

どこに相談しても思い通りの結果を得られない場合は、弁護士に相談してください。

弁護士の中には、いじめなどを含めた刑事事件を主に扱っているスペシャリストの方がいます。

あらゆるいじめに対応した経験と知識を武器に、親御様のご期待に添えるように最善を尽くしてもらえます。

まとめ

今回は、いじめの加害者が14歳未満だった場合の対処法について解説しました。

14歳未満では犯罪行為をしても逮捕されることはなく、罪に問われることもありません。

そのため、いじめの被害者家族は納得のいかない状況に陥る可能性があります。

いじめで悩んでいる場合は、いじめ問題に対応している弁護士に相談することをおすすめします。

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岩熊 豊和弁護士

岩熊 豊和Toyokazu Iwakuma

私は小学校入学と同時に野球を始め、楽しく真剣に打ち込んできました。

弁護士登録後も野球チームに入り、たくさんの選手の笑顔を見ている中で、「野球が好きだなぁ」という思いを改めて実感いたしました。

スポーツの現場では、暴力行為やパワハラ、いじめなどさまざまなトラブルが発生しているものの、選手が泣き寝入りをする結果となってしまうことも珍しくありません。

「スポーツを楽しむという原点を取り戻すこと」を目標に、スポーツを心から楽しむ選手を守るためリーガルサポーターとして日々取り組んでいます。

丁寧にお話をお伺いいたしますので、お悩みの方はぜひ当事務所へお問い合わせください。

所属団体

  • 福岡県弁護士会
  • 公益財団法人日本スポーツ協会ジュニアスポーツ法律アドバイザー

経歴

  • S47.11 福岡県飯塚市に生まれる
  • H3.3 福岡県立東筑高等学校卒業
  • H5.4 大阪大学法学部入学
  • H9.3 大阪大学法学部卒業
  • H10.10 司法試験合格
  • H11.4 司法修習生(53期)
  • H12.10 弁護士登録、はかた共同法律事務所入所
  • H30.9 岩熊法律事務所開設

事務所概要Office Overview

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